2012年03月13日

ワーキングホリデー申請


さして好きでもない仕事を淡々とこなしながら、僕は悶々とした日々を過ごしていました。30歳の時です。
隣のデスクには台湾から来た新人君の希望に満ち溢れた光り輝く笑顔。
彼のその笑顔を見るたびに、あー、これじゃいけないなぁ、と思っていたのです。
会社帰りの電車の中で窓ガラスに映る自分の疲れた顔と目が合うたびに、これは自分のものであっても本来の自分のものではないと思っていたのです。

30歳。あと数日で31歳。
人生を大きく変えるには今を逃したら後がなくなるんじゃないかとの焦りもありました。
けれど、転職するにも何か特別なスキルをもっているわけでもありません。
持っている資格といえば、普免とそろばん3級のみ。意味ねぇなー、と思うばかりで、苦笑いすら出てきません。
このまま他の会社に転職したところで、同じことが繰り返されるのだろうということは容易に想像できました。
好きでもない仕事を淡々とこなす日々。この繰り返し。

疲れてるなぁ・・・。
休み取って海外旅行にでも行くか・・・。


僕はそう思いついて旅行会社のホームページを開きました。
行き先も考えずににいろいろ貼ってあるリンクを適当に次々とクリックしていきました。
アメリカ、カナダ、イギリス、シンガポール、タイ、台湾、そしてオーストラリア。

オーストラリアかぁ。南半球になんて行ったことないし、一度行ってみようかなぁ。

そして更にオーストラリアのリンクをクリックしてくとワーキングホリデーという言葉が出てきたのでした。
そのページには、日に焼けた若者らがエアーズロックを背景にはちきれんばかりの満面の笑みで両手を大きく広げている写真が掲載されていました。

ワーキングホリデーねぇ・・・。そうだなぁ、あと10歳若かったら行っても良かったかもなぁ。

ワーキングホリデーという制度は知っていました。
とは言うものの、“一年間滞在出来て、お金に困ったら旅行の合間にアルバイトなんかも出来ちゃう便利な若者用の貧乏旅行ビザ”との認識でした。
僕には関係のないもの。そう思っていました。
しかし、次の文句が僕の目に留まったのです。

対象: ビザ申請時において満18歳以上満30歳以下であること

満30歳以下?
っていうことは、あと3日で31歳になる僕でも今ならまだ申請できるのか・・・。
それまで僕は、ワーキングホリデー制度の年齢制限はもう少し低く設定されていると思っていたので、自分がまだその対象年齢内にあったことに驚きました。

僕は続けて「ワーキングホリデー」で検索をかけてみました。
すると、オーストラリアだけでなく他にもいくつもの対象国があることを知り、また国によって年齢制限が異なっていることも知りました。
それも、ネットで簡単に申請できるようでした。

へぇ、そうなんだぁ。知らなかった。じゃ、年齢制限内のうちに申請してみようかな。あと3日経ったら申請できなくなるんだし。
申請するだけ申請しておくか。別に行かなくてもいいんだし。

オーストラリアにそれほど興味があったわけでもないんですが、流れ?とういうか、勢い?というか、暇つぶし?というか、とにかくあまり深く考えずにオーストラリア大使館のホームページからビザの申請をしてしまいました。

え?これだけ?これでいいの?

ってなくらい簡単な申請手続きが終了し、あとはビザが下りるのを待つだけとなりました。
申請したからといって気分的には大きな変化はありません。
その時は自分が実際にワーキングホリデーに出かけるとは考えていなかったのですから。
30歳の自分がまだそういった若者を対象にした制度の枠に入っていることがうれしかったのかも知れません。
申請手続きが済むまでのほんの短い時間だけ海外旅行をしていた気分にはなっていたような気がします。

そして、申請した日から10日程してからビザが下りました。
ビザが下りてからも、僕は何もなかったかのように同じような悶々とした日々を過ごしました。
ただ、社内では着々と組織編成が進んでいて、上司が入れ替わるなど同僚が他の部署に移るなどしていました。

ビザが下りてから半年程経ってからでしょうか。
ビザのことなどすっかり頭の中から離れていた頃です。
僕の配属されていた部署のオフィスの移動が決まりました。
それまでは電車で5分程のところにあったオフィスが、乗り継ぎを2回して1時間半以上もかかるところへ移ることになりました。
また、オフィス移動にともなって仕事内容も増えることになっていました。

オフィスの完全移行まであと4カ月。
僕はそれを機に会社を辞めることを決意したのでした。

転職。
僕は転職をしようとしていました。
ただ、次の仕事を始める前に、以前行こうと思って行っていなかった海外旅行には行こうと思っていたのです。
少しゆっくりと休みたかったのです。
だから転職に向けての就職活動はしていませんでした。

海外での生活は、とても気持ちいい。

以前、台湾人の新人君がそう言っていたことを思い出していました。
幸いなことに、僕には1年間限定だけれども海外で生活できるビザがありました。

行ってみるかぁ。嫌になったらすぐ帰ってくればいいんだし。失業保険も自主退社だと最初の3ヵ月は待機期間だし・・・。

そして、僕は海外旅行気分でオーストラリアに飛び立つことにしたのです。
そう、失業保険の待機期間3ヵ月間をオーストラリアで過ごして、日本帰国後は失業保険の給付を受けながら就職活動をしようと考えていたのでした。




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posted by ゆうすけ at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ワーキングホリデー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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